良い音とは

これまで、良い音というのは、

良くなる、レスポンスが早い、音量があって音が立つ、迫力がある

といった楽器のことを指すと思っていた。

ところが、ヨーロッパやイスラエル、アメリカ、日本の一流の演奏家に試奏、また使用頂いているうちに、そうではない事が分かった。

彼らは口々に同じことを言う

張りがあるが深く、mfを軸にffからppまでのアプローチができ、1番大切なのはクリアさである

言葉で言うと簡単だが、実際彼らが持っているオールドクレモネーゼの音色を聴くと明確である。

製作する側から見ると、現代の楽器に比べ粗く、変形しているにしろ、精細という印象は受けない。彼らの楽器ならではの独特の個性、アプローチは明確で、音色は先程述べたものを持つ説得力のある音だ。

私自身も、これまで形状、アーチ、サイズ等様々な角度からアプローチした

評価を頂けた楽器から分かったことは、それらに一定の効果はあるが、最も重要なポイントは完璧を目指すと失敗するという事

綺麗に仕上げる、美しいアウトライン、高い職人技による誰が見ても恥じない作り

ここに焦点が行くと方向を見間違える

重要なのは不完全を受け入れること

材料も綺麗すぎてはいけなく、少しダブ付きがあっていい。(ストラドも質量は気にしていなかった)弦圧に押されてしまう位のしなやかさがあって良く、アーチもタフ過ぎると音がキツくなる。ただ、ゆる過ぎると、直ぐにへたる為、楽器が音色で奏者を助ける程度の“いい加減”を探す。

現代人は完璧を求める。

しかし、この世の全ては不完全で、不完全であるから、それぞれの良さが出る。

生まれ持った個性を生かす事。木にも楽器にも人にも、それぞれの個性がある。あくまでも、伸ばすのではなく生かす。

この事を忘れずに日々作り続けたい。

2021cello

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2021 ヴィオラ 409mm

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レインボー毛による毛がえ