型について
どの世界でも型を覚えるとか、まずは型を作ってからといわれます。
今回はその型が楽器の世界ではどのようなものか。ということについてお話ししたいと思います。
一般的には古くから伝わるテクニックや形を深く学んで、表現するための基礎が型と呼ばれると思います。これは、伝統だったり歴史がしっかりしているもので成り立つと思います。
楽器における型は、mould と呼ばれる内枠型にあります。この内枠こそが、伝統であり400年もの歴史を物語る型です。
この型を取るために、よく行われる一般的な方法は、ストラディバリウスの原寸大の写真からアウトラインを取り、型を起こす方法です。
ところがこれには大きな落とし穴が存在します。楽器は立体なのとカメラのレンズの影響で歪みが生じます。結果、取るべき型とは異なるバランスで完成します。
本来、楽器の型は幾何学に乗っ取った黄金比率の集合体です。簡単に言えば、円がいくつも折りなって形が成り立ちます。さらに面白いことに数列や比率で取られているために、割り切れず不完全な物体なのです。
一般的に左右対象で綺麗に仕上げられた職人技のイメージがあると思います。この思い込みの型が大きな間違いなのです。
なぜ、わざわざ作りにくい形で黄金比率で作る必要があったのか。それは、草木や生物がそうであるように、地球上の法則だからです。無駄を出来る限り省き、当たり前のように不完全であり、美しいものが共存します。
多くの世界で型を作ると言いますが、この型というのは技術や知識ではなく、人間本来の動き、物の動きを体感し続けられるかということになります。型を破るとか、型にはまるとかそういう次元ではなく、型は大まかには決まっているがバリエーションがあり不完全な物だということを理解しておく必要があります。そのため、全てが客観的であるべきです。
型というと難しく習得が困難と思われると思います。しかし、型自体が人間が考えた教科書や教本でなければ(こなすのが目的のもの)自由度は高く、より面白いものと思われると思います。
