作り出すとは

非常に便利な時代になった。欲しいものがあれば、すぐ配達して貰える。スマホがあれば、ほぼ全ての事がまかなえる。特に、このコロナ禍では、これ以上有り難い事はない。

しかし、その便利さ、人間がより慢心になり、物に対する、愛着さや、見る目を劣化させてしまう可能性もある

あくまでも、人間は一つの宇宙にある小さな銀河の、小さな恒星の周りを周っている惑星に住んだ、猿の一種である。

なぜベートーヴェンやバッハ、マーラー、ダヴィンチ、ミケランジェロ、アインシュタイン、ストラド、アマティは現代まで名が残っているのか。

共通して言えるのは、背景が人間主体ではない事だと思う。

例え、どれだけ有名な職人が卓越した技術で、作品を完成したところで、背景が道理に反してしまっていては、心に響かない。どんな作家であれ、演奏者であれ、背景が、街中の雑音中、都心の空気、人間の作り出した空気、まるで電車に乗っているような感覚、人工物の様では、驚きはあれど心に残らない。

大切なのは、地球に生まれたからこそ、この美しさを表現させてもらえると思えるかどうか。無理に美しく作る必要はなく、醜く汚くする必要もなく、あるがままに、道理と法則に乗れる様に。

日々変わる季節のような、木漏れ日のような、雨が降り、水が湧くような、そのような体験が、もっと我々には必要なんだと思う。

資本主義を生きるには、競争は付き物。けれど、本当に価値のあるものは、瞬間瞬間の感動なのではないだろうか。

誰かと共感したいとか、承認欲求とか、そういうものではない。ただ、この想いを込めて一つ一つ作る。

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